学校や練習会では、日常的にポイント練習を行なっていると思います。その中で低強度のジョグだけを行う期間を取り入れる重要性やメリット等を解説します!
今回の記事では、リディアードのランニングトレーニングを参考にしています。
【初めに】適正なジョグのペースとは
基本的にジョグはどのペースでの効果があります。ですが最大効率のジョグをするには、一定の決まったペースがあります。決して遅いジョグが効果がないわけではなく、トレーニングとしてのジョグや、疲労回復時のジョグなど使い分けれるようになりましょう。
Eペース
Eはeasyの略で、HRmax65〜74%と楽であるが適度に速い遅くはないペースになります。
リディアード式では、最高安定状態と表記されています。
一般的にジョグにより持久力、耐久力、回復力、心肺機能、酸素運搬能力などの向上が見込まれますが、Eペースのジョグは、それらを鍛えるのに恰好の練習になります。
さらに、ランニングは30分以上行うと効果がかなり大きくなります。
速いジョグ
ジョグのペースを上げることで、負荷をあげることができ、閾値やVO2maxに刺激が入りやすくなります。また、レースに近い動きで走るれる為、フォームの確認をすることが出来きます。
しかしEペースとは違った刺激が入るため、本来ジョグで得ようとしていた効果が得られなくなる可能性があります。メリハリをつけるために組み合わせることが重要です。
遅いジョグ
ペースを落とすと負荷を落とすことができます。疲労回復を目的としている場合やなどに適しています。
また、負荷を減らしながら走る継続時間を伸ばす練習にも適しています。
ジョグのみを行うメリット
ジョギングのみを行う期間を取り入れることにより、土台が作れることや持久力向上といったメリットがあります。練習を組む上で重要な、なぜそのようなメリットが得られるのかを理解できるよう解説します。
走行距離を最大効率で伸ばせる
走行距離を増やすことは持久力を向上させる上でもっと重要であるとも言えます。しかし距離を走るほど怪我のリスクが高まってしまします。
ですが、ジョギングなどの負荷の低い練習のみを行うことで総負荷を減らしながら量を増やすことができます。
最大走行距離を増やすことができる
先ほど述べたように週間・月間走行距離を伸ばすことができますが、ロングランといった1度で走る距離を伸ばすことにも深く関わってきます。
このロングランに対するメリット・デメリットを簡単にまとめました。
体内グリコーゲン量を増やせる
一度の運動時間を増やすことで、連続で動き続けるために必要なエネルギーの貯蔵量を増やそうとするため、グリコーゲンを増加させることができます。
時間に対する効果を引き上げれる
ジョギングを時間を増やすことで普段のジョギングよりの高い効果を得られることができます。
簡単な例ですが、60分jogを分けて2回行うのと、120分を連続で一回行う場合、前者は2回目はフレッシュな状態対し、後者は後半60分疲れた状態で行うので、後者の方が効果が高いと言えます。
負荷が高い
ロングランは効果が高いのも事実ですが、疲労や負荷も高くなります。距離を伸ばす量や頻度を最低限にしながら行いましょう。
閾値能力を強化できる
以前の記事で閾値走を紹介しましたが、ジョギングでも充分強化することができます。
上級者の方でも、ジョギングで普段あまり距離を走らなかった方の場合、最善の強化方法と言えるでしょう。
効果を統一できる
ジョグのみにコミットする事により、上記で述べた効果を最大限吸収することができます。
練習での負荷は、違うことを行うとそれぞれの効果、負荷を体は吸収しようとします。それによりバラバラな練習を行うと狙った効果を得にくくなる場合があります。
そのため、一定期間反復して同じ練習を行うと短期間で能力を伸ばしやすくなります。
デメリット
下記のデメリットは、今まで一般的なトレーニングを行なってきた場合当てはまります。ランニングを始めたばかりの方や、復帰明けの方は共に全て上昇すると考えられます。
また、期間中などの一時的な現象なので、適切な練習により以下のデメリットは回復します。
ランニングエコノミーが低くなる
スピードを出すポイント練習を行わない事により、筋力低下や感覚を忘れることなどにより、一時的にスピードが出しにくくなる可能性や、無酸素能力の低下により早いスピードの維持が難しくなることが考えられます。
ダニエルズの練習でもポイント練習を行わない基礎構築期間が設けられていますが、WS(ウィンドスプリント)と言われるながしを複数入れており、筋力強化や、フォーム改善といったランニングエコノミー低下を改善する取り組みがあります。
ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第4版 [ ジャック・ダニエルズ ]
最大酸素摂取量(VO2max)が下がる
普段行っていた高強度のメニューを行わないことで、VO2maxが低下すると考えられます。
VO2maxを高いレベルで向上、維持するためには高強度のインターバルなどの連取が必要になりますが、ジョギングでも少なからずVO2maxに刺激を入れることは可能です。
VO2maxを仕上げるためには持久力の土台が必要になるので、閾値能力などの持久力強化を優先することがおすすめです!
モチベーション維持が難しくなる可能性がある
ジョギングは長く単調なので、記録の向上が分かりやすいポイント練習に比べて成長を感じにくいです。そのため退屈になるかもしれません。
走れるが距離が長くなる実感が湧くことや、音楽を楽しむことなど、人それぞれ楽しさを感じることはあると思います。
どの練習においても必ず達成感を感じるなどモチベーションになることが存在すると思います、自分なりの楽しみを見つけてランニングを楽しみましょう!
効率の良いメニュー
上記で紹介したように、メニュー作成においてポイントとなることは、基本はジョグのみで、週に1〜2回のロングランを行うこと、また、本書では、メリハリをつけるために距離やペースの緩急をつけることも重要であると述べられています。
それらを踏まえてメニュー例を作成しました。参考程度にどうぞ!
初心者の方
月曜 休み
火曜 20分Eペースジョグ
水曜 30分Eペースジョグ
木曜 15分早めジョグ
金曜 休み
土曜 30分ウォーキング
日曜 30〜40分ゆっくりジョグ
初心者の方向けメニューとなります。あくまで参考です。継続することが大事なので、痛めないように初めは短くしながら行ってください。
余裕が出てきた方は時間を伸ばすか、休みの日にジョグを入れてみても良いです!
また、無理のない範囲で、余裕がある日に流しを入れてみるのも良いです。
ながし:10秒〜20秒程度、リラックスした状態で6〜8割の力でダッシュすること
中級者〜上級者
月曜 休み or 30〜60分ジョグ
火曜 30〜60分ジョグ+ながし or 坂ダッシュ5〜10本
水曜 90分Eペースジョグ
木曜 40分早めジョグ+ながし
金曜 休み or 30〜60分ジョグ
土曜 60分Eペースジョグ+ながし
日曜 90〜120分Eペースジョグ
中、上級者向けのメニューとなります。黄色マーカーのジョグは、個人の目的に応じて距離やペースを変えて行いましょう!
- 坂ダッシュに専念するためペースを落とす
- 疲労を抜くために休みにする、など
この場合、週間走行距離が90kmほどになります。自分の走行距離に応じて時間を増減させてください!走行距離がこれよりもかなり多い方は、朝練など2部練習を入れて走行距離を稼ぐのもおすすめです。
また、スピードやランニングフォーム維持のためにながしを入れていますが、スピード強化に重きをおきたい方は流しの本数や距離を変えて質を上げましょう。
最後にトラックレースに向けて
今回解説したジョグのみを入れる期間は、大会の無い基礎構築期間に取り入れましょう。中長距離、マラソンにおいて非常に重要な有酸素能力の強化に適しています。
陸上競技に取り組まれている方は4月からトラックシーズンが始まるので、大会の少ない12月〜2月あたりに取り入れると良いでしょう。ロードレースや駅伝などで難しい場合は、普段よりもジョグの頻度や距離を増やすことで基礎を作ることができます。
夏場など暑い時期に長い距離を走るのは難しくなるので、寒い時期にじっくり持久力を鍛えましょう!
適切な練習で仕上げていけば一時的に衰えたスピードも必ず回復します。春からトラックで結果を出すためにもで一人組んでみましょう!
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