以前の記事で全体を通して軽く説明している閾値走ですが、今回は深掘りして解説していきます!
LTとは
安静時の血中乳酸濃度は1mmol/Lですが、ペースが上がりが2mmol/L〜4mmol/Lになり、そのポイントを超えると急激に乳酸の量が増え始めます。それのポイントを乳酸性作業閾値(LT)と言います。
前回説明した通り、閾値ペースは簡単に言うと30~40分、ピーキングすれば約60分保てるペースで、トップ選手の場合ハーフマラソンを走りきれるペースとなります。
このペース付近(以下)で練習することにより、乳酸がで出やすくなる速度を引き上げることができます。
よくある勘違いで乳酸を分解する能力とよく言われていますが、それは間違いです。
乳酸が出にくくなりますがそれらを鍛える練習にはなりません。
近頃、このLTペースでの練習が費用対効果が高く非常に重要視されています。さらに年間を通して長期的にも伸ばしていける能力の一つで非常に重要度が高いです。
【重要】LTの強化方法とは
LTを強化する方法は閾値走だけではありません。
実は、ほぼ全ての練習で強化できます。一般的に30分以上の長時間の運動をすれば、LTにも刺激が入流ため、強化することができます。
では閾値走をする意味がないのではと、そうではありません。閾値走はLTを強化することに特化した練習で、最大限効果を得るために必要になります。ですが、強度の高い練習になるのでバランスが重要になってきます。
そこで一つの考え方なのですが、ジョグでもLTは充分に鍛えることができるので、ジョグで土台を作って試合が近づいてくると閾値走で仕上げる。といった考えもあります。
ジョグでの強化では走行時間を増やす日を作るなどして刺激時間を増やすことが鍵になります。
また、初心者の方はいきなり閾値走をせず、ジョグで体を作ることをお勧めします。
適正ペースとは
心拍数による求め方
LTのペースでは、心拍数がHRmax88%〜92%と言われており、最大心拍数200の人の場合、176〜184となります。走りはじめを除き、なるべくこれらの数値になるペースで行いましょう。
自己ベストによる推定
また、心拍数を測る環境の整ってない方は、こちらから自己ベストによりタイムを推定できます。
(英数入力の方が操作しやすいです。また、閾値はTrainingのThresholdになります。m(メートル)とmi(マイル)の違いにお気を付けください。)
実践の感覚による推計
しかし調子や環境が練習と試合で異なることやタイプにより大きく変動します。あくまで目安のタイムなので、感覚を重視して30~40分保てそうなペースを意識して行いましょう!
重要なのは強度×時間!
これは、どの練習においても共通することですが、適切な強度をどれだけの刺激時間を確保できるかによって練習の効果が決まります。しっかりとペースを守って正しい刺激を入れましょう。
閾値走実践編
閾値走は決められた一定のペースで走る練習ですが、様々なバリエーションがありますが、大まかに閾値走とクルーズインターバルの2種類の方法があります。
閾値走
閾値走は上記で説明したペースで行う練習で行うペース走で、一般的に疾走時間は15〜20分間で、無理をすると怪我のリスクが高まるため、上限は20分で行いましょう!
クルーズインターバル
クルーズインターバルは、閾値走と同じペースで、休息を挟みながら行うものです。
疾走時間と休息時間の比率は5:1が適切と言われています。休息を入れることにより疾走による刺激時間を稼ぐことができます。
ダニエルズ・ランニングフォーミュラでは、様々なパターンのメニュー例や頻度等が詳しく解説されています。
追い込み厳禁!遅めに行おう
乳酸が急激に増え始めるポイントで行う閾値走ですが、一番重要なことがあります。それはオーバーペースにならないことです。ペースを上げ過ぎてしまうと適正な刺激を与えることができずに本来の効果を得られなくなってしまいます。
また、乳酸が増えた状態だとペースダウンしてしまい重要な刺激時間を確保できなくなってしまいます。LTペースで走る時間を稼ぐことを意識しましょう。
LTはペースが遅くても充分効果を得ることができるので、余裕を持ったペースを心がけましょう。
やりすぎ注意?適正距離で行おう
閾値走は分割して行えばかなりの量を行うことができてしまいます。強度の高いポイント練習にあたるので、無理せず練習量に気をつけながら行いましょう。
走行距離の決め方
閾値走の一度の走行距離は週間走行距離の10%以下が推奨されています。
ペースによりますが、週間走行距離の10%の距離がLTペースで15分以上確保できない場合、閾値走を行う前にジョグなどの走行距離を増やすことをおすめします。
例;LT=5分00/kmの場合、15分で3kmに到達するので、その場合週間走行距離が30km以上必要となります。
ダニエルズ式と言われるポイント練習はこれらの条件を元に作成されています。
重要ポイント復習
最後に、重要をポイントをまとめます。
・体作りから!
・適正距離を守って量を増やし過ぎない
・遅い方が効果的!ハイペース厳禁
・追い込み過ぎない
・走行時間を稼ぐ
以上となります!今回参考にしたダニエルズ・ランニングフォーミュラでは、自分の具体的なメニューを詳しく複数見れるだけでなく、原理を理解することができます。
大会までのスケジュールやメニューも記載されているので、参考にしたい方は是非ご購入ください!
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